イコン画 大天使 ミカエル像, ロシア, 19世紀.
　ロシア、19世紀。20mmという厚めの板に油彩で描かれた聖ヨハネ像。
　素朴な描写と優しい表情が印象的なイコン画です。板の縁には、幾つか釘が打たれています。
　枯れた木肌と古びた質感の画面からは、古物の魅力を感じます。


イコンについて：
　イコンとは、聖像のことでギリシア語のエイコン eikn ( 肖像、似像 ) を語源にしており、イエス・キリストや聖人、天使、聖書の説話などを描いた画像 ( 主に平面 ) を言います。
　イコンは正教会において用いられるものを指すことが多いのですが、他の教派でも用いられないわけではありません。カトリック教会では、正教会のように立像を避けることはなく、平面像と立像をあわせて聖画像と呼ばれています。
　その形状は、板絵 ( 蝋画、テンペラ、油彩 ) やフレスコ画、写本挿絵、モザイク画、象牙板浮彫など多様で、聖堂内の聖障壁 ( イコノスタシス ) を飾る大型のものから，個人的な祈念の対象となる小型のものまであります。