22.4×15.4㎝

表紙裏 佛説須彌山之圖

座右必用萬歳大雜書萬宝鑑目録 1丁

本文 21丁 半(裏表紙裏)

【内容】「目録(画像3)参照」

・「大雑書」と呼ばれているものを幾つか調べてみたが、いずれも「須彌山之圖」が描かれていた。(画像2参照)

・内容は年末などに配られる「暦」のようなものが殆どで、
「吉凶」に関する事→旅立ちに良い日、神仏を作るのに良い日、外出してはいけない日等など。

少し驚いたのは「日食・月食」の記述(4丁裏)
 日そくは日のひかりつきのためにおほはれさせ給ふ大あく日なり
 (日に「給う」という敬語を使っているのが面白い。そして「大悪日」と言っている。)
 月そくは月のひかり地のためにきゆるによりて也

・その続きに
 ○やく神日の事
    毎年八月十五日にやく神日本国へわたり九月十五日にしゆじやう(衆生)のかずをしるす十一月九日に病人をさだめ正月七日にやく神のつかひを日本国にはなち給ふ此日をつゝしむべし
     つまり、日本国の人口(人間の数)を定め、それに見合う病人の数を決めて、明くる年の正月に「えき神の使い」を日本国中に派遣して・・・病人の命を奪う、と言う事らしい。だから「えき神の使い」に取り殺されるかも知れないからその日は外出するなと。
・8丁裏までは上段に、挿し絵入りで解説がされているが、それ以降は挿し絵のみ。鼠が二匹描かれていたり、蜂が描かれていたりする。

・9丁表 ○三世相明鑑 とあって「きのえのとしにうまるゝ人」とはじまり、「きのと」「ひのえ」「ひのと」・・・・生まれの人の運勢が説明されていく。
【因みに】
木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん)・水(すい)のそれぞれに「え(兄)」「と(弟)」がくっつき(十干)
「木のえ」→「甲」・「木のと」→「乙」、「火のえ」→「丙」・・・・・。
そして「木のえ」+「ね(子)」(十二支)→「甲子」となるわけだ。だから、十干十二支の最初は「甲子」。



裏表紙裏 刊記 明治    印刷仝年六月吉■版
書林      出版人  ■田 平七
          彫刻人 遠藤正次郎

【因みに】
紙の補強のため、二つ折りの内側に当時(明治時代)の書籍かパンフレットなどを挟み込み、そのために新たに糸で綴じ直してある。(本文1丁目は、袋部分が切れて、間紙が見えている。画像5参照)
その文章は、文語体で、句読点もなく、片仮名もしくは平仮名には濁点、半濁点の区別もない。明治初めの、言文一致運動以前のもののようである。


    
※全体的に、経年によるくすみ、汚れあり。
※梱包材の再利用に努めています。ご理解下さい。