マイケル・ジャクソンは真の伝説と呼べる数少ない人物の一人だ。かつてのエルヴィス・プレスリーやジョン・レノンの場合と同じように、人は自分がマイケル・ジャクソンの訃報を聞いたときのことをいつまでも忘れないだろう。彼の生涯は50年と短かったが、ティーンエイジャーになる前からすでにスーパースターだったマイケルの音楽は、誰の人生にも鳴り響いているはずだ。
 絶頂期は過ぎていたものの、マイケルはまさにショービジネス史上最大ともいえる復活劇を果たそうとしていた。それが実現することはもうないが、彼の音楽と、その莫大な売上、彼に影響を受けたと公言する大勢のスターの存在によって、マイケル・ジャクソンの偉大さはすでに裏づけられ、それは個人としていかに物議を醸そうとも揺らぐことはない。
 写真を満載したこのトリビュート本には、タイトルどおり、今や伝説となったマイケルの人生が詰まっている。兄弟グループ、ジャクソン5の中心で飛び跳ねていたアフロヘアの子供もいれば、史上最高の売上枚数を誇るレコード『スリラー』のカバーから揺るぎない視線を送るスーパースターの姿もある。ムーンウォークなど独特な動きを駆使した衝撃的なライブパフォーマンスから、結婚、子供の誕生、プレッシャー、幕が上がる前に無残にもついえてしまった復活への歩みまでが網羅されている。
 本書『マイケル・ジャクソン 伝説の軌跡』は、音楽界に消えることのない遺産を残した稀有な人物の、小説よりも奇なる物語である。

生涯を200点の秘蔵写真で振り返る豪華保存版。永遠に生き続ける“キング・オブ・ポッ